ヨーロッパep32 🇫🇷ルーヴル美術館
前回、パリ郊外のヴィルサイユ宮殿を見学し、パリ市内まで戻ってきました。
今回は、ルーヴル美術館についてお話しします。

ルーヴル美術館は、ご存知のところ世界で最も有名で、世界最大級の規模・作品数を誇る美術館です。
名実ともに世界一のこの美術館は、パリ観光において外せない場所となっています。
現在の入場料は22ユーロ、僕が行った際は17ユーロでした。またEU圏内の学生であれば無料で入場が可能です。
ルーヴル美術館
有名なピラミッドを囲むように建物が立っており、元々宮殿として使われていた建築の美しさに美術館に入る前から格の違いを感じます。

全世界の美術ファンにとって憧れのこの美術館に来れて、入場前から興奮気味だったのを今でも覚えています。
入場口はいくつかありますが僕はピラミッドから館内に降りていく入場口から入りました。

美術館の鑑賞の際にガイドを借りるのは万国共通だと思いますが、ルーヴル美術館のガイドはまさかのDSでした。
しかしこのDSがかなり優秀でなんと見たい作品を検索して選択したらルートを示して道案内してくれるのです!迷路のように広い美術館の中でお目当ての作品を探すときに本当に役に立ちました。


館内は「デノン翼」「シュリー翼」「リシュリュー翼」の3つの翼に分かれています。
各翼ごとに、展示作品の種類が異なっています。
デノン翼
まずはデノン翼からです。このエリアは美術館の中でも特に人気が高く、ルネサンスや新古典主義の名画が並んでいます。

モナ・リザ(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

16世紀に描かれたこの肖像画は、ルーヴル美術館の代名詞と言えます。モデルはフィレンツェの裕福な商人の妻リザ・デル・ジョコンドとされますが、彼女の微笑の意味は未だに謎に包まれています。絵画技法では「スフマート」と呼ばれるぼかしが使われ、肌の質感や背景の柔らかさが見事に表現されています。
モナリザは目の前で見るために基本的に行列に並ぶことを覚悟しないといけません。

目の前に行っても絵との距離感は近くはなく、周りにたくさんの人がいるため落ち着いて見ることは難しいでしょう。
それでも記憶に残るような不思議で惹かれるような、欠点を感じない絵という印象でした。
カナの婚礼(パオロ・ヴェロネーゼ)

モナリザの視線の先にあるこの巨大な絵画は、新約聖書に登場するキリストの最初の奇跡「水をワインに変える」場面を描いたものです。ヴェロネーゼは当時のヴェネツィア貴族の華やかな生活を反映させ、絢爛豪華な宴の場面を細部まで描き込んでいます。

サモトラケのニケ

紀元前2世紀に制作されたこの彫刻は、ギリシアの軍事的勝利を記念して作られたとされています。風を切るように立つ姿が非常にダイナミックで、失われた頭部や両腕にもかかわらず、その美しさと力強さが感じられます。

ナポレオンの戴冠式(ジャック=ルイ・ダヴィッド)

フランス革命後、皇帝に即位するナポレオン1世を描いた大作です。ナポレオンが自ら皇后ジョゼフィーヌに冠を授ける瞬間が切り取られており、フランス帝国の栄光を象徴しています。大作の中には約200人の肖像が描き込まれており、政治的メッセージが強く込められています。

民衆を導く自由の女神(ウジェーヌ・ドラクロワ)

1830年の7月革命を題材にした作品です。銃を持ち、フランス国旗を掲げる自由の女神が民衆を鼓舞する様子は、フランスの自由精神の象徴です。ダイナミックな構図と生々しい描写が特徴で、強烈なインパクトと臨場感が感じられました。

シュリー翼
シュリー翼では、古代文明の美術や彫刻に触れることができます。時を超えた歴史の息吹を感じられる場所です。
ミロのヴィーナス

紀元前100年頃のギリシア彫刻で、愛と美の女神アフロディーテを表しています。両腕を失いながらもそのプロポーションの完璧さが評価され、永遠の美の象徴とされています。滑らかな曲線美と自然な体のひねりが特徴的で、彫刻技術の高さに感動しました。
ハンムラビ法典

バビロニア王ハンムラビが紀元前18世紀に制定した成文法典です。黒い玄武岩に刻まれた282条の法文が、当時の社会の規範を示しています。法典の上部には、神シャマシュがハンムラビに法を授ける場面が彫られており、政治と宗教の結びつきを表しています。
ルーヴルのスフィンクス

全長4メートルにも及ぶ巨大なスフィンクス像です。赤みを帯びた砂岩で彫られています。
リシュリュー翼
リシュリュー翼では、中世から近世のヨーロッパ美術や王宮の装飾品が展示されています。比較的静かな空間でゆっくり鑑賞できました。
メディチの間(ルーベンス)

ルーベンスがメディチ家のマリー・ド・メディシスの生涯を描いた一連の大作シリーズです。物語性が豊かな構図と、明るい色彩が特徴で、メディチ家の繁栄を祝う意図が込められています。
アモールとプシュケ(カノーヴァ)

この彫刻は、ギリシア神話の愛と魂の物語を描いています。二人の優雅な姿勢と繊細な表現に見入ってしまいます。
ナポレオン3世の居室






19世紀フランスの豪華な生活様式を体現した部屋です。金色の装飾や豪華なシャンデリア、ベルベットの家具が並び、まさに贅沢の極みといった空間でした。
その他
アポロンのギャラリー



ルーヴル美術館の作品を有名どころに絞ったとしても、全て紹介するのは果てしないため、今回紹介しきれなかった作品や展示物を館内の写真とともに一挙に並べておきます。




































最後に
僕はルーヴル美術館になんと8時間滞在して、それでもじっくり見る体力がなくなってしまい、最後は足早になりました。
作品数の多さもさることながら、館内の広さもとてつもないのでルーヴル美術館に行く際は朝から閉館の夕方までかかることを覚悟してもらえるといいと思います。
朝早くにモナリザの部屋に一直線に向かったことで、じっくりと人の少ない環境で楽しめた人もいるようです。

というわけで今回はルーヴル美術館編でした。
次回はルーヴル美術館と並んでパリで最も人気な美術館であるオルセー美術館に行きます。
ここまで読んでいただきありがとうございました。