ヨーロッパep33 🇫🇷オルセー美術館
前回、ルーヴル美術館を紹介しました。
今回はオルセー美術館に行きます。
オルセー美術館
フランス・パリのオルセー美術館(Musée d’Orsay)は、19世紀から20世紀初頭の美術を中心に展示する世界有数の美術館です。印象派をはじめとする多くの芸術運動が花開いたこの時代の傑作が並びます。今回は作品を大まかな派閥ごとに分けながら、見どころを紹介していきます。

元々、駅舎として使われていた建物を再利用して使っています。館内でも駅の名残があるところがいくつもありました。

1. アカデミズムと新古典主義の世界
19世紀前半のフランス美術を支配していたのは、政府の公式美術展「サロン」で評価されるアカデミズム絵画です。
伝統的な技法に基づき、神話や歴史を題材とした格式ある作品が特徴です。
• ウィリアム・アドルフ・ブグロー《ヴィーナスの誕生》

理想化された女性美を追求した新古典主義の代表作。
• アレクサンドル・カバネル《ヴィーナスの誕生》

同じ題材を扱いながらも、より官能的な表現が特徴的。ナポレオン3世が購入したことで有名。
2. ロマン主義の情熱とドラマ
18世紀末から19世紀初頭にかけて、ロマン主義が台頭しました。
感情の爆発や劇的な表現が特徴で、英雄や革命、異国情緒をテーマにした作品が多く見られます。
• ウジェーヌ・ドラクロワ《ライオン狩り》

焼けてしまった完成品の下絵。手早く仕上げた下絵とは思えない躍動感。
3. 写実主義の革新
19世紀半ばになると、理想化されたアカデミズムに対抗し、現実の生活や労働者の日常をありのままに描く
写実主義(リアリズム)が登場しました。
• ギュスターヴ・クールベ《画家のアトリエ》

作者自身と、彼の周囲にいる様々な社会階層の人々を描いた大作。
⦅オルナンの埋葬⦆

故郷オルナンの一般的な葬儀を、本来高潔な絵で用いられるはずの大型のキャンパスに描き、衝撃を与えた。
• ジャン=フランソワ・ミレー《落穂拾い》

農民の日常を尊厳をもって描き、社会的なメッセージを込めた名作。
4. 印象派の革命・そして後期印象派へ
オルセー美術館のハイライトともいえるのが、印象派(Impressionism)のギャラリーです。印象派は、19世紀後半に登場し、光の変化や瞬間の雰囲気を捉えることを重視しました。彼らは筆触分割と呼ばれる技法を用い、細かい筆使いで色彩を並べることで、目の中で色が混ざり合う効果を狙いました。
印象派はゴッホやゴーギャンらによる後期印象派へと繋いでいかれます。
• クロード・モネ《睡蓮》シリーズ



モネの「睡蓮」シリーズは、自然の光と水の変化をとらえた代表的な作品です。オルセーには数点の「睡蓮」が展示されており、淡いブルーやグリーンが織りなす幻想的な世界が広がっています。
《積みわら》

一日の時間や季節によって異なる光の効果を探求した作品。モネは同じ構図で異なる時間帯の積みわらを描き、印象派の真髄を見せつけました。
他にも作品数の多いモネの代表作が一つの展示室にずらりと並びます。

• エドガー・ドガ《バレエのレッスン》



室内でのバレエ練習風景を捉えた作品。ドガは躍動感あふれるダンサーの姿を独自のアングルで描きました。
• ピエール=オーギュスト・ルノワール《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》

ルノワールが描いたパリの庶民の娯楽のひとつである舞踏会の情景。やわらかな筆使いと温かな光、人々のファッションの華やかさが完璧なバランスで描かれるルノワールの代表作です。
セザンヌ《セント・ヴィクトワール山》

セザンヌが生涯にわたり何度も描いた南フランスの山。幾何学的な構成と色の重なりから、キュビスム誕生への橋渡しとも言える重要な作品です。自然を構造としてとらえるセザンヌのまなざしがよく表れています。
フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》


オルセーにはいくつかの自画像が展示されており、彼の内面や画風の変化を追うことができます。強い視線と大胆な色づかいが特徴です。
フィンセント・ファン・ゴッホ《星降る夜》

鮮やかな筆致とうねるような筆の動きが印象的な作品。精神的に不安定だった晩年のゴッホが描いた、孤独と希望の入り混じった夜空です。
この絵は僕が今までに見た絵の中で最も好きな絵です。この旅の後にも様々な美術館で多くの名画と出会いましたがこの時の感動は忘れられません。
彫刻の展示
オルセー美術館の中央ホールには、19世紀を代表する彫刻作品がずらりと並んでいます。ロダンの《考える人》の小型バージョンや、カリエール・ベルーズの繊細な装飾彫刻など、絵画とは異なる立体的な美が楽しめます。天井から降り注ぐ自然光が、大理石やブロンズの質感を美しく引き立てています。



まとめ
オルセー美術館は、19世紀から20世紀初頭の美術の変遷を一望できる世界最高の美術館の一つです。アカデミズムから印象派、さらにはポスト印象派、象徴主義まで、多彩な作品が並ぶ館内を歩くことで、美術史の流れを実感できるでしょう。
みなさんにもパリを訪れた際には、たとえ絵画に興味がなかったとしても絶対に行ってみて欲しいです。
最後に載せきれなかった写真を載せておきます。説明できなかった名画の数々も素晴らしいものばかりです。












というわけで今回もここまで読んでいただきありがとうございました。
次回はパリの市内観光編となります。